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結婚相談室NEXUS(ネクサス)トップページ > ゲストインタビュー 第一回

ゲストインタビュー

映画監督

​森 達也

NEXUS ゲストインタビューでは、ゲストの方に結婚を決めた理由や結婚生活についてなどお話をお伺いし、皆様にお届けしてまいります。

初回のゲストは、独自の視点で日本社会を映してきた映画監督であり、数多くの作品を手掛けられいてる作家でもあり、明治大学特任教授としてもご活躍の森達也さんです。

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「自分にとって意味があって世界の豊かさを再認識してくれる視点を提示してくれるパートナーの存在は人生を豊かにします」


鈴木:この度は映画「i-新聞記者ドキュメント」で第93回文化映画で一位を受賞され、おめでとうございます。

 

:ありがとうございます。文化映画というカテゴライズが旧いなあとは思うけれど、これまでの作品はオウムやゴーストライター騒動を一般的な評価とは違う視点で考察する、ということもあって、マスメディアや権威からは敬遠されていたと思っているので、その意味では嬉しいです。

 

鈴木:事実を追求するジャーナリストが異端児扱いされた、この映画を制作されたきっかけについて教えていただけますか。

 

:企画段階でプロデューサーから監督を依頼されました。いったんは引き受けて準備を進めていたのだけど、諸事情あって監督を降板しました。ただプロデューサーからはドラマとドキュメンタリー、同じテーマで二つ監督できないかと言われていたので、ドキュメンタリーのほうだけ引き受けました。これが制作の経緯です。ちなみにドラマのほうは藤井道人監督が後任してくれて、日本アカデミーで作品賞と主演男優と女優賞を独占して話題になった『新聞記者』です。

 僕の映画である『ⅰ~新聞記者ドキュメント』のメインの被写体である望月衣塑子さんは東京新聞社会部の記者です。官邸で菅官房長官に遠慮なく質問をすることで話題になりました。でも記者会見は記者が政治家に質問する場です。当たり前のことをしているのになぜ彼女は話題になるのか。他の多くの記者たちが当たり前のことをしていないから、という結論になります。メディアに限らず日本人は組織への帰属がとても強い。言い換えれば個が弱い。だから自分の意思よりも多数派の動きに追随しようとする。つまり同調圧力です。

 

鈴木:日本の同調圧力の風潮というのはどこからきているのでしょうか。

 

:いくつか説があります。ひとつは稲作文化。田植えや稲刈りは一斉にやるんですね。自分のとこだけ早くやったら、自分の田んぼにいた害虫とかが他の田んぼに行ってしまう。特に水利は村全体で共有する。そうした村落共同体的規範。あるいは島国であること。天皇制も大きいかもしれない。東アジアはそもそも集団性が高いけれど、特に日本はこの傾向が強いと感じています。

 

鈴木:婚活の世界でも、年収や外見など、周りの意見に同調して、自分が本当はどういう人を希望しているのかわからなくなっている人が多い気がします。周りに流されることなく、自分の本当の気持ちをみつけるにはどのようにしたらいいと思いますか。

 

:うーん。これは難しい(笑)。……その人に会っていないときでも、どれだけその人のことばかり考えているか、じゃないかな。たぶん年収や外見とかに惑わされているなら、ずっと思い続けることは無理なんじゃないだろうかと思うのだけど。違うだろうか。こんな答えで申し訳ない。NEXUSさんはどのように会員さんにアドバイスしていますか。

 

鈴木:はい、当社は、会員さんたちに、本当に自分が希望しているのはどういう点なのか、自身の気持ちをみつめるよう心掛けるよう話すこともあります。紙に書くと気持ちが整理されるそうなので、紙に希望像を箇条書きで書くことをすすめることもあります。

 

鈴木:「世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい。」私は森さんが座右の銘とされているこのフレーズが好きなのですが、どういう時にそのように感じられるのでしょうか。

 

:このフレーズに対して、こんなに殺伐としていて事件や災害や紛争ばかり起きているのに何を言っているんだ、とたまに反論されます。こんなに殺伐としているからこそ、「もっと」なんです。僕は仕事として、これまで多くの、いわゆる悪い人たちに会ってきました。オウムやそれ以外の事件の死刑囚たち。ISの戦闘員。いわゆるヤクザ。香港マフィアに取材したこともあります。でも心の底から生きる価値がないと思わせるような人に会ったことはない。もちろん個人差はあります。ちょっと短気な人。癖が強い人。でも中身はほぼ同じです。両親や子供の話になれば同じように涙ぐむし、おかしければ笑う。大きな差異はないです。東日本大震災のときは、地震発生から一週間過ぎないうちに現地に行きました。まだ遺体探索が続いています。凄惨すぎて言葉を失う。だからこそ歯を食いしばってでも、このフレーズを思う。……そう考えています。

 

鈴木:当社も発足のきっかけは、日本人と出会う機会が少ない方にも結婚相手を見つけることにより、たくさんの人を笑顔にしたいというものでした。

 

:NEXUSさんは本社はシンガポールにあるんですよね。海外在住の方のご利用が多いのですか。

 

鈴木:はい、国内在住の国際派の方以外にも、海外ご在住の日本人男性、女性さんや、外国人の方にもご利用いただいています。

 

:海外、日本と離れて住んでいるとなかなか会えないのではないですか。

 

鈴木:遠距離となる方も多いですが、当社は殆どの方がご入会から1か月以内で希望の方とお見合いをしていらっしゃいます。2019年はズームなどテレビ電話でのお見合いも含むと日本人会員様の全員が1か月以内にお見合いをされました。。

 

:100%とはすごいですね。テレビ電話でお見合いをしてお互いのことってわかるものですか。

 

鈴木:はい、早く成婚が決まる会員様も、テレビ電話でお見合いをされたり、交際となっても利用されている方が多いです。お仕事がお忙しい男女にはいいツールだなと思います。便利な世の中になったものですね。

 

:実は最近やっとスマホを使い始めたんです。自分にとって大切な何かが損なわれるんじゃないかと思いたくなるほどの便利さに驚いています。特に僕は方向音痴なので、ナビ機能は本当に助けられています。

 

 

鈴木:映像を扱っていらっしゃる森さんがスマホを使い始めたのが最近とは意外でした! 


森さんの奥様は音響心理学などの研究をしていらっしゃるライターの山崎広子さん(https://www.yamazakihiroko.com/)ですが、奥様との出会いはどのようなきっかけだったのですか。

 

:15年ほど前に書いたベトナムの王子についてのノンフィクション「クォン・デ」がきっかけです。そのとき彼女もベトナム関連の仕事をたまたましていて。

 

 

鈴木:奥様の第一印象を覚えていらっしゃいますか。

 

:大井町の改札口で待ち合わせたんです。綺麗な人だなって思いました。

 

 

鈴木:どんなタイミングで、なぜご結婚を決められたのでしょうか。

 

:明確なタイミングはなかったと思います。

鈴木:奥様は声にも相性があると書いていらっしゃいますが、森さんはどうお考えですか。

 

:人は見た目が九割という本がベストセラーになったけれど、実は声は外見以上に強い印象を相手に与えています。なんか信用できないとかなんかいい人だなあとか、言語化できない領域だからこそとても強い。でも日本人の多くは声の力に気づいていない。そして本来の自分の声を出していない。…まあ彼女の受け売りです。宣伝のようで気が引けるけれど、興味があったら是非彼女の本を読んでほしいです。本当に目から鱗がたくさんありますから。

 

鈴木:ご自宅でお互いのお仕事のお話にアドバイスしあったりということもありますか。

 

:それは常に。彼女のほうが圧倒的に賢いので、ほぼ9対1で僕がアドバイスを求めます。

 

鈴木:当社にもリスタートライフというプランがあり、離婚や別れを経てもう一度、という方を応援しておりますが、離婚を経験された方は余裕があるというか、お相手に思いやりのある方が多い気がします。

 

:結果的にたくさんの人を傷つけてしまったから。その負い目はいつもあります。

 

鈴木:ご結婚してほぼ9年ですが、結婚生活がうまくいく秘訣はありますか?

 

:何でしょうね。秘訣とかテクニックとか、そんなレベルにはないような気がします。

 

鈴木:森さんは奥様ととても仲が良いようですが、けんかすることもありますか?

 

:なくはないけれど、9対1で彼女が正しいので、

 

鈴木:仲直りはどのようにされるのでしょうか。

 

:僕が謝ります。

 

鈴木:森さんが結婚してよかったという瞬間を教えていただけますか。

 

:月並みな答えだけど、同じ体験でも一人の場合と二人の場合は意味が違います。僕には僕の視点がある。でも妻には妻の視点がある。その二つを複合できます。自分にとって意味があって世界の豊かさを再認識してくれる視点を提示してくれるパートナーの存在は人生を豊かにします。

 

鈴木:最後になりますが、会員様へ、より良い出会いを得るためのアドバイスがあればお願いいたします。

 

:人は多面的な存在です。第一印象も大切だけど、何度も会えば違う面がたくさん現れる。自分にとって意外な面が多いほど、その後の時間は重要なものになると思います。

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森 達也 (Tatsuya Mori) 

映画監督・作家・明治大学特任教授
1956年広島県出身。 立教大学卒業。
1980年代前半からテレビ・ディレクターとして、主に報道とドキュメンタリーのジャンルで活動する。
1998年にドキュメンタリー映画『A』を公開。ベルリンなど世界各国の国際映画祭に招待され、高い評価を得る。
2001年、続編『A2』が、山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞する。同時期に執筆も始める。
主な著書は、映画撮影の舞台裏を描いた『A』『クォン・デ』(角川文庫)、『A2』(現代書館)、『放送禁止歌』(光文社知恵の森文庫)、 『下山事件』『東京番外地』(新潮社)、『王さまは裸だと言った子供はその後どうなったか』(集英社新書)、『ぼくの歌・みんなの歌』(講談社)など多数。
2011年に『A3』(集英社)が講談社ノンフィクション賞を受賞。
2020年映画『i-新聞記者ドキュメント』が文化映画で1位を受賞。
オフィシャルウェブサイト:http://moriweb.web.fc2.com/mori_t/index.html

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